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ライターのための文章術 読まれる記事を書くコツは?

プロ編集者の教える伝える文章術

文章を書くのは好き。ブログやnoteも書いてきた。
だからライターのお仕事くらい簡単にできる!
世の中にはそう思っている人も多いかもしれませんね。
でもプロのライターが書く文章と、自分の言いたいことを書く文章は本質的に違います。

今回は、ライター講座を10数年運営し、500人以上のライター・エディターを育てた外山由紀代さんの文章術講義から抜粋。
プロのライティングのコツを特別にお伝えします。

目次

ライターは仕事を依頼されて文章を書く人

ライターの仕事の真髄は?

プロのライターとは、クライアントの依頼を受けて文章を書く人のことです。
ではクライアントは何を求めてライターに仕事を依頼しているのでしょうか。

クライアントの目的は「読者の心に情報が伝わること」。

ライティング技術で、
・読者に記事を読んでもらうこと
・記事の内容で読者の心が動くこと
これが求められているのです。

自分の思いを綴る人——エッセイスト、小説家、評論家など、著者と呼ばれる人たち。
彼らも読者の心を動かすために文章を書きます。

でも彼らの主眼は「自分の思いを表現する」こと。
たとえ誰にも理解されずとも
内から湧くものを文字にする。
文章は自分を表現する手段です。

それに対してライターに求められるのは
伝えるための文章」です。

そんなこと言われなくてもわかっている。
そう思っている人も多いでしょう。
でも多くの新人ライターは、
自分で気づかないうちにクライアントの意図を無視して自分の思いを書いてしまいます

書いて伝えるべき情報は何か。
どのように伝えれば読者に届くのか。

この2点を頭に入れて文章を書く。
これがプロのライターの心得です。

伝えるライティング技術が必要な時代

その昔、出版社や新聞雑誌社などの情報発信者は、特に読者を意識する必要はありませんでした。

読者は情報弱者。
読者を啓蒙するために発信する。
情報をただ発信すれば読んでもらえる。
そんな時代がありました。

でも今は違います。
書店には本が溢れ、自宅から全国の図書館の蔵書検索も簡単にできるようになりました。
インターネットで検索すれば読み切れないほどの情報が流れてきます。

情報が溢れている時代だからこそ、その中から
自分の書いたものを読んでもらうにはどうするか。

現代は「読んでもらうためのライティング技術」が以前にも増して必要な時代です。

記事が読まれるための3要素 ①ターゲットを明確に

「記事が読まれるための3要素」について順番に説明します。
まず、ターゲットを明確にすることです。
記事を読む人は誰か。
年齢層は? 性別は? 職業は? 
必ずこれは押さえましょう。

例えば医療関係の記事の場合、患者向けか、医療関係者向けかで使用する言葉が変わります。

【例】
「××は静注だったけど経口薬になって患者のQOLが上がったよ」

取材の時に医師が何気なく使う言葉には、
略語(静注→静脈注射)や専門用語(QOL:Quality of life、生活の質)が含まれています。
これを患者向けの媒体にそのまま使ったのでは
読みにくい、わかりにくいものになります。
経口薬も「飲み薬」と言い換えた方が良い場合もあるでしょう。

世代が異なれば言葉の常識も変わります。
かつては当たり前に使われていた慣用句も、
若い世代にはなじみのないこともあるようです。
「手垢のついた表現だ」
と若い人の多い講座で言ったら、
意味がわからないと言われたこともありました。

反対に今どきのファッション用語を、
中高年むけの媒体で使うときも注意が必要です。

読者がストレスなく、必要な情報を得られるようにする。
そのためには
「これくらい誰でも知っているはず」の思い込みは禁物です。

男性向け媒体、女性向け媒体では記事の内容や表現は異なります。
同じダイエットに関する情報でも、
男性誌では「筋肉量アップ、腹を割る」などの表現になり、
女性誌では「綺麗に、スリムに」などの言葉が多く見られます。

しかし最近は性差に関する考え方、嗜好は変化しています。
依頼を受けた媒体を読む人の常識は何か、嗜好が何か。
常に情報をキャッチして、自身の感覚をアップデートする必要があるでしょう。

記事が読まれるための3要素 ②読者がベネフィットを感じるか

記事が
・事実が誤りなく書かれている
・正しい日本語が使われている

これだけでも情報は伝わります。
でも、読者のには残らないかもしれません。
記事を読んで
「知らなかったことがわかった。役に立った」
「楽しい気分になれた。面白かった」
「内容にとても共感した」
そう感じたとき読者は
読んでよかった」と思うでしょう。

これが読者にとってのベネフィットです。
読者がベネフィットを感じる文章はどんな文章でしょうか。

重要なのはわかりやすい文章であることです。
そのために、見出しの工夫は重要です。
さらに簡潔な短い文章で書かれていること。
そして、文体にリズムがあること。

文章を書き終えたら、必ず声に出して読んでみましょう。
第三者に読んでもらうのも、とても効果的です。
そしてその上で、あなたらしい表現を加えること。
基本は押さえた上で、
アンテナを張って、勉強して。
読者の心を動かすための工夫をしてみましょう。

記事が読まれるための3要素 ③見た目

依頼される仕事の場合は字数が決まっています。

1行あたりの字数も決まっています。

400字の原稿を依頼されて、300字しか書かない、500字書くなど論外ですが、

最後の行が空かないように文字数を調整する
文末が行の頭に来ないように言葉を調整する
・字で埋め尽くされた状態にならないよう、
 適度に改行する。

など、仕上がりの状態を意識して書くと、
読者の読みやすさはずいぶん変わります。
漢字とカタカナの割合を意識する必要もあります。

最後に

縦書きと横書き
紙媒体とWEB

伝える方法が変われば、
効果的な伝え方も変わります。

そして、言葉は生き物です。

文豪の表現が素晴らしくても、
いかなる場合も正解ではありません。
今、この表現がバズっている。
そんな表現もすぐに飽きられることでしょう。
時代は動いています。

まず、基本を押さえること。
そしてさらに、
これからの表現は私が作るという気概で、
本を読み、
雑誌やネットを調査し、
考えて、
言葉を磨きつづけてほしいと思います。

外山由紀代(そとやま ゆきよ)

大人の文化・教養講座を企画運営。2013年から東銀座の「GINZA楽学倶楽部」運営代表として現役歌舞伎脚本家による歌舞伎講座を100回以上、新進女性映画・歌舞伎評論家の歌舞伎講座を100回以上開催し、さらに継続中。
HPはこちら→ https://lets-grace.com/
2007年~2020年3月、情報紙編集長歴20年以上の経験を生かしてリビング新聞グループのライター・エディター養成講座「LETS」の代表、講師として500人以上の受講生を指導。同窓会ネットあり。
書籍出版、教育関連書籍、行政や団体の広報物制作コーディネート、講師経験も多数。

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