もり塾を歩き切った——その後も続く、ライター修業の旅。
「もり塾ブックライター・編集ライター養成コース」第1期を修了したノムラが、バリバリ稼げるライターを目指し、歩み続ける様子を綴ります。第18回は「ステップアップのチャレンジ、副業ライターはツラい!」
地域情報サイトの記事を担当することになって数ヶ月が経ち、ちょっとずつ軌道に乗り始めたと感じていたとき。もり塾の講師の方から、ライター募集の情報を提供していただきました。応募締め切り直前、本業は繁忙期に差し掛かり、心身の疲労はマックスに……。
やりがい重視。時間給は考えないと思いつつ
地域情報サイトのお仕事は、取材先選びに奮闘しつつも、定期的に記事を納めることができるようになってきました。取材先から喜んでいただけることも多く、大きなやりがいを感じています。
しかし、WEBサイトでの文字単価報酬は低い傾向にあり、費やした時間を時給に換算すると、思わずため息がもれてしまうことも。
この先、副業ライターの仕事で本業と同等の収入を得ようとするならば、単価の高い仕事か、短時間でできる仕事を増やすことも必要でしょう。
もり塾講師の先生から、ライター募集の情報が!
そんなとき、もり塾でお世話になった講師の方から
「野村さんに向いているのでは」
と、ほかの地域情報サイトのライター募集の情報を提供していただきました。
運営母体はフリーペーパーを全国的に扱っている組織で、報酬も魅力的。
活動期間は半年間で、記事の書き方や撮影の仕方などの講習会などのサポートもあるとのこと。
今の仕事の経験も活かせるし、記事の投稿本数も月に1〜2本程度と願ってもない条件です。
しかし、活動地域が、県内とはいえ自宅からずいぶんと離れていて、十分な活動ができるかどうか自信が持てません。
ここは、森先生の教え、
「なんでもやります! できます!」
の精神を発揮するところ。
活動期間も限られていることだし、その間は本業のシフトを減らし、生活費をやりくりしてでも挑戦してみる価値があると考えました。
本業の激務で、挑戦の意欲は遠くへ……
おりしも季節は夏休み、本業は繁忙期に突入。
私の所属している店舗は、もともと人員不足にも関わらず、超多忙なこの時期も補充人員が得られません。
毎日、朝から夜まで目が回る忙しさに加え、深夜に及ぶ残業も多く、泣きたくなるほどの激務が続きます。休日は、ぐったり疲れ果てて執筆活動どころか家事も手につかないほど。
お盆休みの最終日、サイトの募集締め切りを明日に控えた公休日。連日の疲労から、応募のための自己PR書にすら手をつけていない自分。
もっと早くから準備をすべきだったと唇をかみつつ、詳細を再確認しながら気持ちを奮い立たせます。
募集地域は、自然豊かで山登りやキャンプに人気のエリアですが、公共交通機関での移動は不便な山間部が中心。自宅からだと電車だけでも1時間から1時間半ほど、そこからバスも利用。
しかも、バスが1日に数本しか出ていない場所も少なくないようです。
本業の休日を丸一日かけての取材。天候や状況によっては1回の訪問では足りないことも考えておかなければなりません。
今の情報サイトの仕事でさえ手一杯と感じているのに、さらに多くの時間を費やすことなどできるのか。
覚悟のうえで応募を決意したはずが、諦めムードが漂います。
無理をしても、納得のいく記事は書けないのではないか。果たして本当に挑戦すべきなのだろうか。
考えれば考えるほど意気込みは薄れていき、締め切り時間の午前0時は静かに過ぎて行きました。
生活と夢への葛藤
大繁忙期が過ぎ、心身の落ち着きを取り戻したとき、
「せっかくの情報を活かせなかった。
貴重な経験ができたかもしれないのに、諦めてしまった」
頑張りきれなかった後悔が襲ってきたと同時に、将来への不安がつのります。
「こんなに本業が大変なら、またいつかチャンスを逃してしまうかもしれない。今は、多くの時間を副業に費やしても、わずかな収入しか得られない。
この先、並行して仕事をしながら、ライターとしての活動を広げていくなんてできるのだろうか」
生計を維持するための本業。
夢を追いかける副業。
両立の難しさと現実が重くのしかかり、未来への希望が遠のいていきます。
苦難もネタにすれば、気持ちは明るい
そんなある日のこと。
「そんなに激務ならエピソードを書き溜めて、ネタにすればいいじゃない。
ライターが本業。副業として飲食店でアルバイトをしていると考えてみては」
と知人からアドバイスをもらいました。
目から鱗とはこのことです。
健康維持のためにも、こんな激務は避けたいところですが、ライター活動のネタになるなど考えてもみませんでした。
今の仕事に直接は関係のない分野ですが、いつか役に立つ日が来るかもしれません。
私は、今の地域情報サイトや、かつてのアパレル販売ばかりに焦点を絞りすぎていたのだと、視野の狭さを反省。
時間と収入、現実と夢、本業と副業の両立。
同じ難題がいつも立ちはだかります。
辛かった激務を、疲労と後悔だけで終わらせないために、今一度、心に刻もうと思います。
「活動時間や収入の大小ではなく、
自分の意識のバランスを変えてみる。
ライターへの道を歩くために」
貴重な情報をいただいたもり塾講師の先生と、激務の最中に励ましてくださった森先生に感謝を込めて。
第19話「10年後。ロードマップに記すは、ゴールと道と。体力?」に続く。 2024年11月後半公開予定!
野村 紀美子(のむら きみこ)
アパレルメーカーで販売業務を20年。
2万人以上の女性に接客し、「ファッションは人の心を豊かにし、人生も変わる」と確信。現在は店長職を辞し、女性やサービス業の人々にエールを送りたいと、ライターとして活動中。 https://www.instagram.com/marmaidolphin
もり塾ライター養成コース卒業制作では、LOF ホテルマネジメント日本法人社長薄井シンシアさんを取材した。
予告編はこちら→ https://mori-jyuku.com/booklets-5/