もり塾

ブックライター養成講座11月開始! 矢印

プロに聞きたい! 編集ライターを目指す人の質問箱【1】

執筆や編集作業で迷ったり悩んだりしたとき、誰かに聞きたい、相談したいと思ったことはありませんか? 身近に気軽に聞ける人がいない、という人は多いことでしょう。
このコーナーでは、あなたの質問に現役のベテラン編集ライターが回答します。ライターとして、さらに先に進みたいあなたへ。自分をブランディング、差別化するヒントにご活用くださいね。
今回は、1行のキャッチコピーから本1冊までのライティング、雑誌・広報誌・ムック・書籍など、さまざまな媒体の編集・ライティングを担当してきた、キャリア30年の高井が担当します。

もり塾スタッフ
(担当:高井紀子)
https://youmake22.net
目次

【質問1】 ブックライターと編集ライターの違いについて教えてください。

簡単に言うと「ブックライター」は1冊の本を著者に代わって書くライター、「編集ライター」は編集作業も担当するライターです。

ブックライターという言葉は、まだあまり馴染みがないかもしれませんね。長い文章を書いたことのない人が最初から1冊分の原稿を書くのは、かなりたいへんなことです。そんなときはブックライターの出番です。

1冊の本といっても、その内容は医療やITなどの専門的な話から、ビジネス成功法や半生を振り返る自伝など、実にさまざまです。著者となる方に話を聞いて、構成を考え、何度か取材をして、1冊分の原稿を書き上げる。それがブックライターです。本1冊分、約10万字の原稿を書き上げるための文章力、構成力などが必要になります。

編集ライターは、「編集」と「ライター」が合体した言葉で、編集ができるライターです。 編集ライターの仕事は、雑誌の1ページの企画から、ムックや書籍1冊まで、そのボリュームはさまざま。また、媒体も多岐に及びます。

私の場合は、雑誌、広報誌、書籍、ムック、カタログ、パンフレット、ブックレット、チラシ、ポスター、広告、ウェブサイトなどを担当してきました。編集部から依頼された記事もあれば、直接クライアントさんにから依頼があり、どんなものを作りたいのかお話しを聞いて、ゼロからスタートする場合もあります。

編集ライターの仕事は本当に多種多様。だからこそ、実力があれば、仕事の可能性が広がると思います。

ブックライターと編集ライター、自分に向いているのはどちら?と思った方は、こちらのブログをどうぞ。

【もり塾オリジナル適正診断付】あなたはブックライター?編集ライター?~ライターとして活躍したいあなたへ~

【質問2】編集ライターの業務に校正は含まれますか?

編集ライターの仕事には、校正が含まれます。

編集者は担当記事の全体を把握するので、一連の作業の中で校正は必須の項目です。ライターも多くの場合は、自分が担当した記事の校正をします。また、記事を担当したライターに校正をお願いするのは、編集者の作業になります。つまり編集ライターは、一人で編集者とライター、両方の役目を担当します。

自分が校正するのは当然ですが、内容によっては取材先やクライアントなど、各所への確認も行います。また、校正は一度ではなく、場合によっては何度も行うこともあります。

校正の方法について説明します。

受注先の出版社や編集部から、校正紙が送られてくるので、それを読んで間違いがないか確認し、修正する箇所には赤い文字で指示を入れます。

編集部や広告代理店の依頼ではなく、企業などから直接仕事を受けるケースもあります。私の場合、そうしたときはデザイン(組版)をデザイナーに依頼していますので、デザイナーから上がってきたページ(PDF)を校正します。

ちなみに校正紙は、以前は紙で送られてきたり、編集部に出向いてその場で校正したりしましたが、現在は、ほぼメールでPDFが送られてきます。ボリュームが多い場合は、ギガファイル便やfirestorageなどのファイル転送サービスを使って、ダウンロードします。

私の場合は、PDFをプリントアウトして校正します。内容やボリュームにもよると思いますが、PDFの機能を使ってPDFに修正の指示を入れる人もいます。

【質問3】カメラマンやイラストレーターなども、編集ライターがギャラを支払うのでしょうか?

編集ライターの多くは、出版社や編集部、広告代理店などからの依頼があり、それを受けて仕事をします。つまり、媒体と企画内容があって依頼されることがほとんどです。基本的には、発注元がギャラを支払います。カメラマンやイラストレーターなどのスタッフが編集部からの発注であれば、編集部がスタッフにギャラを支払います。この際、担当編集者に頼まれて、スタッフへの依頼を編集ライターが行うことはあります。

編集部からの依頼でない場合は、受注先との契約しだいです。例えば、撮影やデザインなどの仕事も含めて自分が引き受けた場合は、自分が仕事を依頼したスタッフに支払うことになります。

私の場合、仕事先は、出版社、編集プロダクション、広告代理店のほか、印刷会社、デザイン会社、一般企業、大学病院、クリニック、サロンなどの個人事業主、個人など、多岐にわたります。当然ですが、同じ受注先であっても、仕事の内容が変わればギャランティも変わります。

1冊のムックやカタログ、事業案内などの仕事では、印刷以外の仕事をすべて請け負うこともあります。その場合、ギャラは全部の料金を含めた金額を先方から提示されることもありますし、自分で見積もりを作って提出することもあります。

自分がまとめて仕事を受けた場合は、自分が各スタッフにギャランティを支払うことになります。つまり、制作費の管理ですね。その前には、スタッフに仕事の打診をして、見積もりを出していただき、両者が合意の上で仕事をスタートすることが必要です。

業務が広がっていくと見積もりや請求書の発行、管理なども発生します。面倒くさいかもしれませんが、一つ一つきっちりこなすことが信用につながります。そして、それは仕事が拡大している証拠と考えるといいですね。

次回は、以下の質問を予定しています。
Q:ライティングだけの場合と編集ライターとしての場合では、仕事のやり方はどのように異なりますか。メリットとデメリットを教えてください。

*編集ライターへの質問を受け付けています。お問い合わせフォームをご利用ください。

*音声SNS clubhouseでも、皆さんの質問にお答えしていますので、ぜひご利用ください。room開催日はメールマガジン、Twitter等でご案内しています。

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