もり塾ブックライター・編集ライター養成コース第1期卒業生ノムラの体験記、連載を開始しました!
第1回は、なぜ「もり塾」に足を踏み入れることを決めたのか、です。
私、野村紀美子は2021年4月に開講した「もり塾・ブックライター・編集ライター養成コース」の1期生。2022年3月、1年間のカリキュラムを無事修了しました。
私が「もり塾」で学ぼうとしたときのことを思い返すと、こんな一言に尽きます。
「60歳目前の最後の挑戦。夢に向かって出航する最終便に飛び乗った気分」
目の前には大海原が広がり、講師陣の乗った母船に導かれ、1人で小さなボートを漕ぎ出でる旅。
それは58歳の春。
その航海の荒波と切符の値段に、怖気づいている暇はなかったのです。
70歳、80歳でも現役でいられる仕事がしたい!
2021年3月3日。
「『ブックライター・編集ライター養成コース もり塾』の開講のお知らせ」というメールが届きました。
以前に受講していたライター講座の先生からのお知らせ。その先生も講師を務める予定の講座が、その「もり塾」でした。
「40代、50代で仕事を始めても……」
「80代になっても書き続けられるように……」
「ずっと、楽しく仕事をしていきたいと言う気持ちがあれば、だれでも挑戦できる……」
そこには、まるで私の脳内を透視されたような言葉が、並んでいました。
10年近く前のこと、50歳を超えた頃。
私は、デパートで婦人服販売に長く従事していましたが、将来に不安を抱いていました。
子どもたちも成人し、家計を支える必要は無くなったものの、雇用形態が不安。
将来も公的年金だけでは不十分。
60歳以降も継続雇用されたとしても、収入は激減すると聞いていました。
現実には、それさえも不確実。
ならば、70歳、80歳でも現役でいられる仕事を、早いうちに見つけなければと強く感じていました。
若さや体力がそれほど必要なく、働き方が選べるものが望ましい。そのスキルを今からでも習得できる可能性があるもの。できれば好きなこと。
そんな理想の条件に合うものはないだろうか。
何年も考えぬいて、ようやくたどり着いたのが、諦めたかつての夢「書く仕事」。
人生100年時代と言われ、50歳は折り返し地点。
下積みを今からスタートさせれば、60歳70歳で、10年20年のベテランになれます。
インターネットでの発信が、急速に発展しつつあったのも追い風と捉えることができました。
経験はないけれど……書くことが好き!
果たして何を、どこで、どうやって学べばいいのか。学んだところで、実際に仕事にありつけるのかも疑問。
ネット上で自己開示することに恐怖を感じていた私は、SNSの発信や、WEBのブログさえ書いたことがありません。
数年前、偶然見つけたライター講座を受講してみたものの、経験もないので求人に応募する自信もなし。
フリーのアウトソーシングに名乗りを上げる勇気もないまま、時は過ぎていきます。
そんなときに届いたもり塾開講のお知らせ。
お知らせのメール文に心を鷲掴みにされた私は、個別相談に申し込みました。
塾長の森先生とZOOMで面談。
大ベテランの風格があり、穏やかで安心感のある印象でした。志望動機と書くことへの情熱を、次々と尋ねます。
私は書く仕事に希望を見出したものの、知識もなく自信がありませんでした。
仕事では、ダイレクトメールや、チラシの文章など、短いものしか書いたことがありません。
あくまで業務の一部、書いたものに対価が発生する経験ではなかったのです。
迷っている私に向かって、森先生は一言。
「書くこと、好きなんでしょ」
書く仕事、それが高校時代からの夢だった
好きか嫌いかと聞かれたら、
それはもちろん「好き」。
だから私は、かつて目指そうとしたのです。
小学校時代は作文が得意。
中学時代は新聞部にも所属し、読書好きの漫画少女でした。
親友との交換日記には「今日のニュース」と題して、自分の出来事や、考えをニュース記事ふうに何ページにもわたって書いたりして楽しんだこともありました。
高校時代は、小遣いの大半を費やして雑誌を乱読。しかし、何故か現代国語の成績は、イマイチ。
数学が得意で選んだ理系クラスに進んだ私は、受験勉強にも行き詰まります。
特に夢や、就きたい職業もなく志望校選びに悩んでいたとき、不意に閃いたのです。
「私は、もしかして活字が好だ。好きな雑誌の仕事がいいかも。理系ではダメだ」
急きょ文系4年生大学へ向けて方向転換しましたが、結果は惨敗。
滑り止めで受かっていた短大の英文科へ進学。
受験と一緒に、雑誌編集の夢も同時に、諦めてしまったのです。
短大卒業後、書くこととは全く違う仕事に就き、それはそれで納得のいく成果を上げることができたと思います。
その後結婚、出産。
雑誌の仕事への思いは、心の奥深くに埋もれていきました。
いつか後悔することのないように…… 今、学ぶしかない!
それから20年後、
長女が中3、進路選択について相談を受けたとき。25年前の夢と、それを諦めてしまった日が、去来しました。
燻っていたものが私の心を揺さぶります。
でも、再挑戦しても、すぐに高収入を見込める可能性は低い職業。経済的なことを考えて、再びその思いを封印し、娘に、こう言いました。
「やりたいと思ったことを、やりなさい。諦めて、いつか後悔することのないように」
さらに20年近く経ち、60歳は目前。
私は、かつて何度も諦めた経緯を森先生に伝え、こう言いました。
「書くことは好きだと思います。書いているときの没入感、書き終えた後の爽快感がたまらないのです」
「だったら大丈夫」と先生。
私にとっては、決して安い金額ではない投資。
1年間は長丁場。
こぎ出だすボートの先にある荒波の前で、希望と不安が渦巻きます。
でも、かつて何度も諦めた夢への扉が、今、目の前で開こうとしています。
「なんとかプロのライターになって人生を変えたい。そのためには今、ここで学ぶしかない。
また諦めて、また後悔するのはごめんだ」
そんな思いで入塾の決断をしたのです。
1年間、その船から降りずに済んだのは、一緒に進む仲間がいたこと。
母船の頼もしい講師の方たちが、声をかけ、旗を振って導いてくれたこと。
それが本当に大きな存在だったと感謝しています。なにしろ自分の船は小さかったし、こぐ力は非力すぎましたから。
第2話「自己紹介は、脳内名詞。自己分析をして、紹介したい自分に気づく」に続く。2022年9月公開予定!
野村 紀美子(のむら きみこ)
アパレルメーカーで販売業務を20年。
2万人以上の女性に接客し、「ファッションは人の心を豊かにし、人生も変わる」と確信。現在は店長職を辞し、女性やサービス業の人々にエールを送りたいとライター修行中。 https://www.instagram.com/marmaidolphin
もり塾ライター養成コース卒業制作では、LOF ホテルマネジメント日本法人社長薄井シンシアさんを取材した。
予告編はこちら→ https://mori-jyuku.com/booklets-5/
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