もり塾

ブックライター講座十一月開始! 矢印

「置かれた場所で咲くために」新聞記者から創業支援の道へ

もり塾ライター講座第3期卒業制作

「私ってめちゃくちゃミーハーなんです」

お会いするなり耳にしたのは意外な言葉でした。
新しいお店の情報を知ると早速行きたくなる。
新しい情報をキャッチするのがすごく好きだという三部香奈さん。

彼女が中学生の時に見たニュース、「ベルリンの壁の崩壊」と東西ドイツの統一を実況中継する櫻井よしこさんに憧れたのは、元々持っていたミーハー精神だったのではないかと振り返ります。

「最前線の情報を得て、それを伝えるマスコミの仕事を『かっこいい!』と思ったのかもしれません」

福島県郡山市に住む三部香奈さんは、地元新聞記者として約9年働いたのち、結婚を機に夫が経営する税理士法人に転職します。東日本大震災が起きた時、我が子はわずか3カ月。当時の彼女は、息子の命を守ることに必死な一人の母親にすぎませんでした。

震災後、一般社団法人グロウイングクラウドの代表として、コワーキングスペース運営と創業支援にかかわるようになったばかりの頃、彼女にはある葛藤がありました。その時に読んだ『置かれた場所で咲きなさい』(渡辺和子著)や、ジョン・D・クランボルツのキャリア形成理論「計画的偶発性理論」が心の支えとなるのです。

「計画的偶発性理論」とは、あえて明確なゴールを定めず、現在に焦点を置いてキャリアを考える理論です。この理論によるとキャリアの8割は偶然から作られます。もちろん偶然を待っているだけではダメで、目の前のチャンスに気づけることが大事です。そのためには「新しいことに興味を持てる」「失敗しても努力できる」「ポジティブ思考」「柔軟性」「チャレンジ精神」の5つのスキルが必要です。

「ミーハーな自分」を開示した後、香奈さんが説明してくれたのがクランボルツの理論でした。新聞記者と会計事務所の仕事と創業支援。彼女がキャリアチェンジをどのように歩み、気持ちを切り替えていったのか。詳しくはブックレットをお楽しみに。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇
夫の転勤により福島県民になった私は、ライターの道へ進みます。これも計画的偶発性理論なのかもしれないと、三部香奈さんのインタビューを通して発見しました。エッセイではそんな私の転機を綴っています。

武田よしえ (たけだ ・よしえ)

フリーライター/福興自分史Ⓡ主宰。福島県在住。震災を機に「自分史」を県内に広げる活動を始め、多方面でインタビューを続ける。https://www.revivalwriter.jp/ 
https://fukushima-jibunshi.com/

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