梅村マルティナさんはドイツ南部出身。東日本大震災が発生した翌年、宮城県気仙沼市で毛糸の輸入・販売と編み物を扱う会社を起こし、今年3月に11周年を迎えました。
故郷ドイツの企業からカラフルな毛糸を輸入・販売し、国内各地で開くイベントの場で編み物を教えています。
私がマルティナさんのことを知ったきっかけは、1玉のドイツ製段染め糸です。地元の手芸店で偶然見つけ、購入して編み進むうち、この糸のルーツを知りたくなりました。
さらには国内にある輸入代理店を知り、代表のマルティナさんにインタビューをお願いしました。
移動の合間を縫って行われたインタビューでは、主にふたつのことを伺いました。
ひとつは、小学校時代の授業で編み物に出会ってから、縁あって来日し、ドイツ語講師として学生さん達と交流していた頃までのお話。もうひとつは、毛糸と編み物の会社を起こして今に至るまでの悩みごとや解決策のお話です。
マルティナさんは現在、毛糸や編み物に関するさまざまな情報をYouTubeなどで発信しています。
編み物に興味がありながら、今ひとつ踏み出せずにいる方々だけでなく、すでに何年も編み物に触れている方々にも好評です。
毛糸を目の前にした時、まずどこから触れれば良いか。経験者にとっては当たり前のことが、初心者にはどう映るか。どのように説明すれば伝わるか。それを伝えようとするマルティナさんの姿勢にはこちらも学ぶものが多々あります。
楽しいことも辛いことも含め、「困っている人を助ける」という行為が、巡り巡って本人自身をも助けていることが伝わってきます。
なお、社名の一部であるK F SのKは気仙沼、F Sは「平和の靴下」を意味するフリーデンスソッケンの略号です。
気仙沼から全国へ向けて発信するマルティナさんとそのお仲間を、これからも応援しています。
担当ライター 水口 浩子 (みなくち・ひろこ) 薬剤師。薬物アレルギーの実体験を活かし、薬によらない健康な暮らしをモットーに日々を綴り、見守り役を目指します。 ライター修行中。植物画を描いたり、地元の風景写真を撮影したりするのが好き。 Twitter : @mhiroko0405 note:https://note.com/watermouth_29