もり塾を歩き切った——その後も続く、ライター修業の旅。
「もり塾ブックライター・編集ライター養成コース」第1期を修了したノムラが、バリバリ稼げるライターを目指し、歩み続ける様子を綴ります。第20回は「本業とのバランスについて」
地域情報サイトやもり塾のブログなど、ようやくライターらしい活動の日々を送れるようになってきました。それは、また別の葛藤を生み出します。
何もない休みが欲しい!
本業の忙しさと、副業のための時間のやりくりに悩んできた私。
本業の仕事は拘束時間の長いシフトを組んでいるので、仕事の日に副業の活動を充てるとすると、短時間か、単純な作業程度がやっと。
取材や集中した執筆作業は、本業の休日を活用します。
本業は1週間に2〜3日ほどの公休があります。
個人的な用事や、家事や生活必需品の買い出し、友人との交際などを除いた時間を副業に充ててきました。
副業ライターの活動は、楽しいし、やりがいも感じるので、普段はあまり疲れを感じません。
と思ってはいるものの、締め切りや必要投稿数の条件に追われると、精神的にも負荷がかかってきます。
本業が順調であれば問題はないのですが、繁忙期は過ぎたのに人員不足の激務がエスカレートしていて、心身ともに疲労が重なる日々が続いています。
「家事もしたくない、ライター活動もできない」
そんなふうに思って、何もできない休日も少なくないのです。
「そんなことで嘆いていてはダメ。せっかく得た機会を逃してはいけない。もっと頑張らねば」
「森先生の教え、『とにかく書く』のだ」
自分を追い立ててみても、
頭の中はライターの活動のことより
「こんな厳しい毎日から抜け出したい。
時間管理だ。
否、休みが欲しい」
という心の叫びでいっぱいです。
気がつけば、「何も予定のない日、休養するはずの日」を失って、ただ苦悩するだけの休日を送っていました。
時間術やタイムマネジメントだけでは乗り切れない
副業だけでなく、仕事をする人にとって「切り替え」は重要なはずです。そして、多くの仕事は通勤というインターバルタイムと、職場という物理的空間によって切り替えが可能です。
私は、完全オフの日がなくとも、1日の中で完全プライベートとライター活動との時間を、上手く切り替えさえすればいいと思っていました。そしてカフェで執筆して、そこで気持ちを切り替えるようにしていました。
しかし、気持ちの切り替えというのは、ありきたりの時間術やノウハウ、意志力だけでは解決できないと、思い知らされています。
どんなにスケジュール帳を埋めても、実行できなければ、タイムマネジメントなどという言葉は空を舞いながら私を見おろします。
休日という10数時間をどんなふうに過ごすのか。
何を考えて過ごすのか。
カフェで数時間、
自宅でも数時間、
何もせずに1日が暮れていく。
追われる日々の中にあって、空虚な時間が無為に過ぎて後悔ばかり。
本当に時間がないのか。
足りないのか。
足りなかったのは「ゆとり」なのではないか。
そんな考えに辿り着きました。
本領は激務、でもライター活動は諦めたくない
いずれライター活動を徐々に増やしつつ、生活費を維持できる程度に本業のシフトを減らしていこうという算段でした。
ゆとりを求めてシフトを削ると、本業は時間給なので生活費が圧迫されます。
シフト以前に、激務やストレスが多くなってしまった本業に問題があるのかもしれません。
ならば、転職も視野に入れるべきでしょう。
いっそのこと、本業を辞めて副業に専念する?
家計を維持できるほどの副業収入がないのでそれは不可能です。
何より本業では社会保険の加入が可能なので、フリーランスにはない、健康保険や厚生年金、雇用保険といった保障制度は大きな魅力です。
生活費か、ライター活動か。
社会保障か、個人事業主か。
今さらながら、現実の生活と、好きを仕事にする夢を実現することとの難しさに直面しています。
フリーランスにはない特権、有給休暇!
葛藤の中で、心のささやきが聞こえてきました。
「思いっきり有給休暇をとってしまいましょう」
「お店は人員不足なのに?」
と、もう一人の自分が反論します。
でも、今のままでは身体を壊しかねないし、ライターへの道が遠ざかってしまうかもしれません。
何が自分にとって最も大切なのか。
今こそ立ち止まって考えるときです。
何もない休日こそ、次へ進む活力を生むはず。
有給休暇。
これこそ、フリーランスにはない特権ですから!
第21話「時間給と、原稿料。見合うかどうかは自分次第」に続く。 2025年3月公開予定!

野村 紀美子(のむら きみこ)
アパレルメーカーで販売業務を20年。
2万人以上の女性に接客し、「ファッションは人の心を豊かにし、人生も変わる」と確信。現在は店長職を辞し、女性やサービス業の人々にエールを送りたいと、ライターとして活動中。 https://www.instagram.com/marmaidolphin
もり塾ライター養成コース卒業制作では、LOF ホテルマネジメント日本法人社長薄井シンシアさんを取材した。
予告編はこちら→ https://mori-jyuku.com/booklets-5/