『女性のための「スロービジネス入門」個人事業主という生き方』(太陽企画出版刊)を読んで、たいへん感銘を受けたので、著者である近藤和子さんにインタビューをお願いしました。
近藤さんは看護師なのに、なぜビジネスに関する本も書いているのか不思議でしたが、お話を聞いて謎がとけました。近藤さんは看護師ですが、命だけでなく「生活」までをも守備範囲とする「応援する人」だったのです。
子育てに余裕の無い母親や、起業する主婦、介護を担い看取りに直面する女性たちなど、さまざまな状況の人を支える本を出版し、医療従事者への研修、母親たちとの「マザーリングの会」の活動も長く続けています。ただ良い言葉を発信するだけではなく、具体的に助ける援助の仕組みを、一から作り出してしまうアイデアと行動力に敬服しました。
困っている人を助けるために必要な組織を作ってしまうパワフルな近藤さんは、地位や年齢、男女の違いによって態度を変えることがありません。初対面の私にも明るい笑顔で、緊張をやわらげてくれました。
なぜそのように振る舞えるのでしょうか? その答えも「看護師」という職から来ていると思われます。どんな地位や肩書があってもブランドの服で装っていても、看護師の感覚で、それらを取っ払った中身を感じることができるのではないでしょうか。
今回のインタビューでは、看護師になった動機や、今若い女性に伝えたいことをお話いただいています。「若い女性」には、小学校高学年くらいからの女児も含まれています。初潮を迎えたら自分の体のことを知り大切にすることを学びましょう。成人になれば社会から受けられるサポートを知ること、経済感覚を養うことも必要だという内容です。
このインタビューで、「女性の権利のために戦う」のではなく、女性が知識を得ることで男性も変わり、社会全体を生きやすいものにしたいという近藤さんの願いが伝わればと思います。