「もり塾ライター講座2022」前回はブックライター・前みつ子さんにブックライターの仕事の実際、仕事の上での重要ポイントについて教えていただきました。8月27日第4回講義では、編集ライターの仕事について、雑誌・広報誌・ムック・書籍など、さまざまな媒体の編集・ライティングを担当してきた高井紀子さんに、ノンフィクションライターの仕事について、昨年12月に『絶縁家族終焉のとき』をさくら舎から出版された橘さつきさんに教えていただきました。
(スタッフ・小野 記)
編集ライターを目指すことでライターとしての力が磨かれる
編集ライターってどんな仕事をする人のことでしょう?
読んでそのまま、編集作業も担当するライターのこと。
ライターは原稿を書く人。
編集者は雑誌や書籍の制作全てを管理するディレクター。
編集ライターは編集者の仕事を一部、場合によってはほぼ全部担当できるライターのこと。
当然ながら編集者にとって編集ライターはありがたい存在。
編集ライターは仕事の幅が広がります。
でもどこまで担当するかはケースバイケース。
最初から企画にも関わることもあれば、編集者の出してきた企画を具体化することも。
カメラマンや校正者との打ち合わせもあるし、
撮影や校正作業を依頼されることもある。
どこまでが自分が担当するのか、できるのか。
役割をきちんと認識しておかなければいけません。
仕事の進み具合で役割が変わってくることもあります。
場を読んで、臨機応変に行動する力が要求されます。
編集ライターになるためには、まず
「編集マインド」を持ってライターの仕事をしましょう。
「編集マインド」を養うためには
「質問票」や「ラフコンテ」がキーワード。
取材相手やクライアントの望んでいるものを具体化するためのツールです。
もり塾では後期にラフコンテの書き方も実習します。
編集マインドで仕事の全体像を想像して、現場で学ぶ。
編集ライターを意識して仕事をすることが、
ライターとしての能力をUPにつながるのですね。
テーマを追求して取材を重ねるノンフィクションライター
『絶縁家族終焉のとき』は、数多くの取材によって現代の家族の問題点を浮き彫りにしたノンフィクション。
「死」「葬い」——人生の最期から見えてくる家族という不可解な関係性。
本の中には8例の切実なエピソードが挙げられています。
家族関係というセンシティブな題材を扱い、取材対象者の心の声を聞き取る。
これは本当に難しいことです。
橘さんが取材に際して心がけたこと。
出版に際して、書けたこと書けなかったことを語っていただきました。
表面的な感情ではなく家族の真実の声を聞いて表現したい。
そう思っても「書いてほしくない」と言われたら
取材相手の信頼を裏切ることはできない。
そんな制限のある中で
具体的な事実は書けなくても
なんとかそこにある真実を表現したい。
その思いで苦闘するのがノンフィクションライターです。
掲載されているのは8例ですが、100例もの取材をされたそうです。
本を書くことで、本に掲載しなかった人にもメッセージを届けたい、と橘さん。
テーマを追求し続けるノンフィクションライターの葛藤と醍醐味を教えていただきました。
著者にインタビューして一冊の本をまとめ上げるブックライター
パンフレットから雑誌、ムック本まで。様々な形態に合わせた情報発信をする編集ライター
自分が追求するテーマを取材して世に発信するノンフィクションライター
書く仕事にはいろいろな種類があります。それぞれの職域で意識すること、戦略も変わります。
もり塾では様々な職種の第一線で活躍するライターから直接話を聞くことができます。
「ブックライター・編集ライター養成コース」第2期は追加募集中。
今までの講義は動画で確認できます。
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