今回のテーマは「出版社に採用される企画書の書き方」。
講師は商業出版をサポートするNPO法人「企画のたまご屋さん」理事の森久保美樹さん。
企画書を書く上で必要な内容は、レッドオーシャンのライター業界で頭ひとつ抜きん出るために、ライターが心がけるべきことそのものです。
以下、講義のポイントを一部紹介します。
企画書を書くポイントは?
商業出版とは何か。
ズバリ「売れる本を出版すること」。
そのためには、「この本は売れる」と、編集者に思ってもらう必要があります。
だから出版企画書はとても大切なのです。
そして、編集者の心に響く企画を立てるということは、読み手の心に響く企画を立てるということ。
・書き手の強みは何か
・誰に向かって書くのか
(読者の的は絞られているか)
・読み手にどんな印象を持って欲しいか
・読み手の心に想起させたいものは何か
これらを企画書に落とし込みます。
つまり、「これが書きたい」という気持ちだけではなく、客観的な調査や分析が、企画を立てるためには大切なのです。
アンテナは常に磨いておく
時代は常に動いています。
新技術、トレンドをキャッチアップする姿勢も大切。
世の中はいつも、誰かがブームを作っています。
だから、その時々のブームを捕まえて、それに乗ったテーマで書けば、売れる!
細々と自分のテーマを暖めている人も、待っていれば時代の波が来ることがあります。
その波を見逃さずキャッチする!
その姿勢が大切。
ライターにも戦略が必要なのです。
心に響いた講師のお話
最後にスタッフ・Oの心に響いた講師のお話をふたつ紹介します。
ゴールは何かを見失わないことが大切
出版したい! と思い詰めると、それが目的化してしまうことがある。
でも、あくまでも出版はその人の人生を輝かせるための「手段」。
商業出版にこだわるあまり、自分のやりたいこととは違う分野の本を出版してしまう人もいる。
そこから人生が変わって、本当にやりたいことができなくなることもある。
必ずしも出版が人生に役立つとは限らない。
出版すればそれでいいという視野狭窄に陥らないように。
書くときに、読者のことを忘れない
本を出したい人の中には、優等生すぎる人も。
専門書ならばそれでいいけれど、たとえ実用書でも一般向け書籍には娯楽の要素が必要。
人は面白いもの、味わいのあるものに魅力を感じる。
書くときに、読む人のことを忘れずに。
そのためには、書き慣れることが大切。
書き続けるなかで、読者へのサービス精神が育まれる。
どちらも、ライターとしてこの業界で生きていく上で、気に留めておくべきことだと感じました。
(スタッフ・小野 記)
「ライターとしてスキルアップしたい」
「小遣い稼ぎライターから脱して、食べていけるライターになりたい」
そんな方々に向けたワークショップ中心の
「ブックライター・編集ライター養成コース」第2期は追加募集中。
今までの講義は動画で確認できます。インタビューと作品制作に重点を置いた後期も12月から始まります。
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