もり塾を歩き切った——その後も続く、ライター修業の旅。
「もり塾ブックライター・編集ライター養成コース」第1期を修了したノムラが、バリバリ稼げるライターを目指し、歩み続ける様子を綴ります。第16回は「イベント取材にチャレンジ!」
地域情報サイトのネタとして、お店だけでなく近隣で定期的に開催されるイベントやマルシェに焦点を当ててみることにしました。イベントそのものも取材対象ですが、出店しているお店や団体は地元を拠点としている場合が多いらしく、たくさんのネタに出会うチャンスと考えたのです。
イベント取材でネタ探し
ここ数年、私の住んでいる地域周辺では、大きな公園や駅前広場、ショッピングモールなどで、頻繁にイベントが開催されている傾向があります。
私の本業は基本的には平日休み。
週末に開催されることが多いイベントとは縁も少なく、ましてや人混みが苦手な私は、見かけることがあっても素通りしていたものです。
担当している地域情報サイトは、お店だけでなくイベントも取材対象です。
イベント取材は、発信内容に変化を持たせるためにも効果的。
参加している団体やブース、キッチンカーの紹介のために個々のお店を調査することで、取材先候補との出会いも期待できそうです。
もり塾でも、教わった
「まずは行動、人脈作り」
人混みが苦手だからといって、腰が引けていては進歩できません。
日ごろは見かけない、個性あふれる出店ブース
イベント日程に合わせて仕事の休暇を取り、自宅からほど近い大きな公園で開催されるマルシェに行ってみることにしました。
私も休日にサイクリングの途中で通りかかる公園。
開放感のある広い敷地に遊歩道や芝生の広場があり、散歩やランニング、軽スポーツなどが楽しめるスポットです。
青空のもと、家族連れをはじめ多くの人で賑わっていました。
ハンドメイド作家さんのアクセサリーショップや、古着や骨董品を扱うガレージセールふうのお店、小物作り体験ができるワークショップなど、様々なブースが並んでいます。
中央の広場にはキッチンカーが並び、美味しそうな匂いとともに、ライブバンドや弾き語りの音楽が大音量で流れ、お祭りムードが高まっています。
敬遠していたはずのイベントですが、眺めるだけでも楽しくて、心が弾んでしまう私。
一般の店舗との違いは、気軽に立ち寄って、身構えずに話せること。
名刺交換も積極的にできるし、少し会話をするだけで、商品の特徴や魅力を熱く語ってくれます。
何気なく並んでいるアクセサリーも、製作者本人から素材の説明やデザインのコンセプト、仕入れの工夫などの話を直接聞くと、いっそう希少価値の高いものに感じます。
ピザ生地を追求し、小麦から栽培しているキッチンカーの主人。
帰省のたびに買い集めた陶器を販売し、副業にしているビジネスマン。
大工さんが教える、道具箱作りのワークショップ。
どれも個性豊かで興味をそそられるお店ばかり。目移りしながらも名刺片手に歩き回ります。
この地域周辺に販売や卸拠点があり、近隣で開催されるイベントを巡りながら活動しているお店が多いのも、地元密着型イベントの特性と言えるでしょう。
気がつけば、当初の目論見通りたくさんの名刺が集まりました。
その中で見つけた、環境に配慮した小物作りのワークショップ。
手軽にできそうなので申し込んでみると、昼を過ぎたばかりなのに、すでに定員に達していて今日はできないとのこと。
その公園からも近いご自宅で、同じようなワークショップを定期的に開催しているそうで、後日取材も兼ねて訪問する旨を伝えることができました。
収穫は名刺の数だけではない
私は長い間、生計を立てるために、毎月決められた日数を働くと給料をいただけるという雇用形態で仕事をしてきました。
もちろん数値目標や、技術、能力の評価による部分もありましたが、それが当たり前の概念です。
今までの取材先も含め、そのイベントで知り合った人々は、仕事に対する気持ちも概念も全く違うと、あらためて感じました。
あふれる情熱、長く培った技術と経験、それを一人でも多くの人に届けたいという信念。
その熱量は、本当に大きな迫力を持って私の心を打ちます。
「ライターとして一人でも多くの人にそれを伝えたい」
同じように熱い思いが、今の私にもある。
経験は乏しいし、本業ではないけれど、同志のような、仲間のような感覚。
ともに進歩しつつ、エールを送り、貢献したい気持ちが満ちてきます。
様々な人たちが思いを込めてブースを広げ、賑やかなイベントを楽しみ、ひたむきに活動している。
熱い思いが集まる地域イベント。
たくさんの取材ネタとともに大きな感動を得ることができたのです。
第17話「書く速さのために」に続く。 2024年9月公開予定!
野村 紀美子(のむら きみこ)
アパレルメーカーで販売業務を20年。
2万人以上の女性に接客し、「ファッションは人の心を豊かにし、人生も変わる」と確信。現在は店長職を辞し、女性やサービス業の人々にエールを送りたいと、ライターとして活動中。 https://www.instagram.com/marmaidolphin
もり塾ライター養成コース卒業制作では、LOF ホテルマネジメント日本法人社長薄井シンシアさんを取材した。
予告編はこちら→ https://mori-jyuku.com/booklets-5/